記事公開日:2020年02月24日
最終更新日:2021年04月15日
無数に存在するフェイク情報。これを正すことに使命を感じ、不定期で記事を作成しています。とにかく嘘が嫌い。嘘に騙される自分も嫌い。
複数の加盟開発やクラウドファンディングに携わり、独立と労働についての見識はある程度心得ています。
皆さま改めましてこんにちは。
今回はマーケット上昇中の買取業界において、フランチャイズ加盟する場合どこの企業が良いのか。この核心に迫ってみたいと思います。
対象の企業はフランチャイズ情報サイト「アントレ」に掲載されている中から個人的な主観でピックアップします。買取業界への進出や加盟に悩まれている方への参考になれば幸いです。
※当記事は自分で調べた情報を脚色せずにありのまま書いています。比較系ランキングサイトと大きく異なる部分があるかもしれませんが、それは何故か?ご想像にお任せしますが、意図的に作成されたランキングサイトには十分お気をつけ下さい。
また、当記事は買取業界関係者様、情報誌担当者様、実際に加盟したオーナー様から伺った内容をもとに作成しています。
Contents
買取・リユース市場について
まず、フランチャイズ加盟を検討する前に買取業界について【重要】と感じたことをご紹介します。
ここでお伝えしたいことは、買取業界は次のフェーズに移行しつつあり、以前にも増してホットな状態になっているということです。「買取業界は下火だ」という知人もおりましたが、私はその逆だと自信を持って言えます。
フリマアプリとの競合優位性
最も気になることではないでしょうか。上記に書いた知人の買取業界下火発言ですが、メルカリを始めとするフリマアプリが勢力を拡大してきたことを受けての発言だと思います。
そう考えるのは自然ですよね。買取店舗のCMなんてほとんど見ないですし、後述する最も有名な買取店舗よりも「メルカリ」の方が今となっては有名でしょう。
しかし、買取店舗の売上は現実に伸びているのです。メルカリが新たな売買マーケットを創出したのに買取店舗の売上は下がらないのか。むしろ何故伸びているのか。それは【役割】が原因だと考えられます。
メルカリで売れるもの(買えるもの)の価格

単純な話ですが、メルカリユーザーは買取店舗のメインターゲットではないのです。ダイヤモンドの指輪をメルカリで私は買いません。エルメスのバーキンを私はメルカリで買いません。
きっと皆さんも同じだと思います。値段の高い商品は正規店や信頼できる場所で実際に見て買いたいですよね。中古となると尚更です。
メルカリユーザーの生の声はこちらです。
この現象はある種の不安からくる心理的作用だと思います。後悔しないために自分の価値観で購入限度額を設けています。これはメルカリに限らず、オークションなどのCtoC系売買サービス全てに共通していることです。
【買ってもらえるもの=売れるもの】
これが重要です。
楽天市場やAmazonは審査を通過した信頼出来る店舗が商品を出品しているので、数十万する商品でもどういったものか分かっていれば抵抗なく購入されているはずです。
買取店舗の出番です
メルカリで売れないのならどこで売るか?選択肢はただ一つ。買取店舗となります。
買取店舗であれば目の前に買い手がいますので、メルカリのように「これぐらいで買い取ってほしい!」と伝えることが可能、その場で現金化出来ます。(一部のケースを除く)
つまり、失敗リスク(価格)の低いものはメルカリ、それ以外は全て買取店舗。このような図式が自然と形成されているということになります。
買取店舗からすると数千円のものは微益にしかなりませんので、きっと心から望んでいる商品ではないでしょう。やはり数万円以上の商品を望んでいるはず。そう。メルカリでは売れないものを求めているんです。
このことから『メルカリが買取店舗の存在を脅かすことはない』と言えます。
目覚めるマーケット
自分の所有物を売った経験がない。
これは人口の50%以上に該当すると経済産業省が公表しています。
売った経験のある方からすると俄に信じがたい数値ですが、売ろうとしても買取価格が希望価格に満たない時などは「売らずに自分で持っておくか」という思考になるのは皆同じなので、売ろうとしたけど売れなかった人を含むデータとしては正しいように思えます。
この50%の層は何も高齢者だけではありません。20代〜50代も多く含まれています。
こういった層へのアプローチは難しく、買取店は手段を持っていません。折り込みチラシを配布しても上記で書いた希望する商品を持ち込んでもらえる可能性は低いでしょう。
その理由は数万円で売れる高価なものだからです。
…もう少し噛み砕いてみます。
初めて何かを売るときにいきなり高額商品を売る人は珍しいですよね。まずは手放しやすいものからです。
メルカリがその役目を担っています。マーケット活性化の流れはこうです。
- これまで売却経験がありません
- メルカリの利便性を認識
- メルカリに出品
- 希望価格で売れる
- 売ることに抵抗がなくなる
- 高額商品をメルカリに出品してみる
- 思うように売れない
- 買取店に持ち込む
合点がいきますよね。
実際にあった話を書きます。私の母は明らかに使わないであろう財布、バッグ、アクセサリー、靴を多く保有しています。
実家の下駄箱には私の靴を入れるスペースがないほど母の靴で埋め尽くされています。
しかし使わないのです。しかし捨てないのです。聞けば思い出がどうのとか、将来あんたの奥さんにあげるとか言って手放すことを拒否しています。
そこで、試しに一つメルカリで使用感のない美品のブレスレットを出品しました。確かティファニーだったと思います。適当に値段をつけて9800円で翌日売れました。それを聞いてすぐに使い込んだフルフェイスのヘルメットを持ってきました。(それは売れない…)
以上のようにメルカリで取引が成立すると、どこからともなく湧いてくる高揚感を感じ、使わないのなら売ってみようとなるのです。
そして、高額商品を出品する日がやってきます。
しかし高いものだと売れ行きが悪い。悪いというか反応が鈍い。売りに出したからには早めに取引を成立させたいという心理も働き、買取店舗に持ち込んでみる。という構図です。
きっと今日も売ることへの抵抗をなくす方が現れていることでしょう。
このことからメルカリ、ラクマなどのフリマアプリ勢が多額の広告予算を割いて露出を高めることで、リユースマーケット全体の活性化に繋がっているのです。
競合優位性というよりも役割分担がきちんとされており共存共栄していると言えます。
買取フランチャイズの仕組みについて

買取フランチャイズの運営について簡単に解説します。
お客様が持ち込まれた商品を査定し、査定額を提示します。問題なければ取引成立となり商品は店舗の所有物となります。
所有物となった商品は、楽天市場やYahoo!ショッピング等のecモール、ネットオークションに出品するか、付き合いのある買取業者かフランチャイズ本部に売却することで現金化します。
これが一連の流れです。
卸業者に売却するケースが多い
お客様から買い取った商品を楽天市場等のecモールへ出品する方法は、自社で価格を設定することで利益を追求しやすいというメリットがある一方でリスクも存在します。
それは売れなかった時にキャッシュがショートする可能性があるということです。
お客様から買い取る際に買取金額(査定額)を支払ってしまうため、支出が発生します。その状況でecモールに出品する訳ですから、商品が買われない限り利益は生まれません。
これが数十〜数百商品に及ぶと新たにお客様から買い取るための資金が底を突き、店舗機能停止の事態に陥ります。
それを防ぐために卸業者へ売却し現金化を行うことになるのですが、卸業者との取引はとても早く(早いケースがほとんど)数営業日で現金化できます。
これらの理由に加え、ecモールへ出品するには商品画像の撮影や、商品発送の工数が発生するため、多くの買取店舗は卸業者へ売却しているのが現状です。
買取のフランチャイズ本部に求めること
前置きはここまでにして、買取フランチャイズを比較検討するにあたりいくつか比較要素を定義します。あくまで私個人の主観ですが、多くの方が同じ考えであると思っています。優先度順に書いていきます。
1.撤退数、撤退率
調査の難しい部分ですが、参考にすべき大切な要素です。どこのフランチャイズ本部も買取業界未経験でも問題ありません。と謳っていますので、私同様の素人が加盟しても本当に問題なく経営を続けられるか。
当然ながら撤退数が少なければ少ないだけ優秀なフランチャイズ本部ということになります。
2.中間マージン(手数料)
コンビニや飲食店など様々な実店舗型フランチャイズを見てきましたが、手数料を搾取する酷い本部が実際にありました。
ここでの中間マージンとは、商品を査定する機器、内装工事費、店舗家賃、広告費などの費用に本部手数料が乗せられていないかを見ます。
3.集客方法
どのような方法で集客を行なっているのか。
買取店舗は基本的に地域密着型になることが多いため、その傾向から駅前などの一等立地への出店が検討されますが、そういった場所だと家賃等の固定経費も高く、永続的な運営が難しいと想定されますので、一等立地に頼らない集客戦略を積極的に評価したいと思います。
4.査定方法
業界関係者に聞くと査定方法は大きく分けて2パターンあるようです。一つは店舗スタッフ自身が機器や知識を用いて査定する方法、もう一つは商品を卸業者にテレビ電話で見せ買取金額を聞く方法。
昨今、精度の高いコピー品が出回っていることから、経験の浅いスタッフだけのフィルターで査定する方法は危険に思いますので、買取金額が保証された「テレビ電話で卸業者に買取金額を聞く方法」を評価したいところです。
5.強み・弱み
どこの本部にも誇れる部分と、補わなければならない部分が存在するはずです。弱みがあることは当然なので、それについての考え方にも注目して判定します。
以上5項目を私のコメント付きで評価し、それぞれのニーズに合うおすすめフランチャイズを決定します。それでは比較開始です。
ブランドリバリュー

運営会社 | 株式会社STAYGOLD |
URL | http://www.staygold-sg.com/ |
本社 | 東京都渋谷区東3-11-10-2F |
TEL | 03-6427ー1153 |
店舗数 | 9店舗 |
加盟金 | 250万円 |
ロイヤリティ | 毎月20万円 |
1.撤退数、撤退率
不明。評価できず。
2.中間マージン(手数料)
不明。評価できず。
3.集客方法
折り込みチラシ
4.査定方法
本部(テレビ電話)
5.強み
上品で入店しやすい内装に加え、個室で査定を行うことでお客様のプライバシーを守れる。
本部による査定サポートがあるため査定技術、知識がなくても安心。
6.弱み
フランチャイズ展開を開始してから日が浅いため買取店舗運営に関するデータが乏しい。ブランドリバリューという名前も知られていない。
—企業情報—
株式会社STAYGOLDはBRINGという若者向けファッションの買取店舗からスタートし、事業を軌道に乗せた後、2016年にブランドリバリューの直営店を銀座にオープンします。銀座店に続き、渋谷店、新宿店、心斎橋店、上野店、名古屋店、なんばウォーク店と店舗を増やしています。
フランチャイズ化を開始した時期は定かではありませんが、アントレNetの掲載が開始されたのは2019年の終わり頃です。
ブランドリバリューの店舗は9店舗存在しますが、その内7店舗が直営店のためフランチャイズオーナーが運営する店舗が2店舗となります。競合と比べるとあまりにも店舗が少ないため評価することが難しいです。
会社の公式サイトを閲覧すると分かりますが、スタッフの平均年齢は若いようでおそらく20代後半。この組織をもって若者向けファッションの買取が成功したのではないかと推測されます。
繰り返しになってしまいますが、FC店舗も業界関係者からの情報も少なく評価できません。買取業界の新生という印象です。
WAKABA

運営会社 | 株式会社フォーナイン |
URL | https://wakaba-fc.jp/ |
本社 | 東京都台東区上野1-11-9 イマスサニービル7F |
TEL | 03-5846-8895 |
店舗数 | 101店舗 |
加盟金 | 250万円 |
ロイヤリティ | 毎月25万円 |
1.撤退数、撤退率
3店舗。情報ではFC店舗オーナーが契約違反をしたため閉鎖とあります。
買取業界に限らずフランチャイズ契約は全店共通の内容で契約を締結するため、特別扱いなどはなく、契約違反によるペナルティは重いため注意が必要です。セブンイレブンの深夜営業問題も記憶に新しいですね。こちらも例外なくフランチャイズ契約を解除されていました。
2.中間マージン
一切なし。
3.集客方法
店舗HP、WEB広告、SNS、公式サイト、折り込みチラシ、リペア
4.査定方法
卸業者(テレビ電話)、本部、オーナー自身による査定、AI鑑定
5.強み
本部仲介手数料一切なし、卸先業者指定なし、強制的なことは一切なし。
経営判断を奪う行為はゼロ。ストレスなく店舗経営を行える。
これまでの買取店のイメージを払拭する入店しやすい内外装。
本部・卸業者による査定サポート。
競合企業の出身者(役職者)が集結して創業したため、様々な戦略を熟知している。
コピー品買取保障。
AI鑑定導入。
6.弱み
知名度が低い。
–企業情報–
株式会社フォーナインは2016年に創業した比較的若い企業です。
創業初期はフランチャイズ募集を行わず、直営店展開を行いスタッフの育成と販促データ実績を収集。実績を作りつつ効果検証を行い、販促スキームを構築した後にフランチャイズ募集を開始します。募集開始から3年で100店舗まで成長する勢いのあるフランチャイズ本部です。
契約違反による3店舗閉鎖を除けば全店継続中という驚異的な実績を持つWAKABA。その秘訣は家賃の低い2等立地にて集客を成功させているためと考えられます。
多くのビジネスモデルにおいて固定費である家賃を抑えられる意味は大きく、初期投資回収期間が他の企業に比べ大幅に短縮されるでしょう。
またその2等立地で集客を成功させた戦略は競合企業出身の役職者が集結して考え抜いた価値ある戦略だと思います。
※各店舗住所は公式サイトから確認できます。
また、チラシに依存しやすい買取店舗においてWebを用いた販促を実施していることも高い評価です。チラシは販促の王道ですが新聞各社の業績が落ち込む現代では、最も有効な手段かというと疑問符がつきます。
このビジネスモデルにおいて広告予算は人件費以上のウエイトを占めるのでWeb販促の成功は評価をあげる大きなポイントでしょう。
更に、持ち込み商品のリペアを行なっています。これは買取とは別でお客様の持ち込んだ商品を修理するというサービスです。時計や指輪、ネックレスやバッグなど経年劣化等によって破損したものを修理し代金を頂戴します。
サービスとしても需要があると思いますが、知名度の向上や販促としても効果的に見えます。
大黒屋

運営会社 | 株式会社大黒屋 |
URL | https://www.e-daikoku.com/fc/ |
本社 | 東京都港区港南4-1-8 リバージュ品川3F |
TEL | 03-3472-7740 |
店舗数 | 233店舗 |
加盟金 | 200万円 |
ロイヤリティ | 毎月10万円+利益に応じた割合請求 |
1.撤退数・撤退率
約50店舗。単純計算で17%ほどが撤退しているようです。理由は下に書きますが、査定方法が店頭のみ(本部サポートがない)ということで、査定金額の出し方が上手でなければ順調な経営は難しいと言えます。
2.中間マージン
あり(本部に卸をする際の手数料)
3.集客方法
折込チラシ、エキテン、チケット販売
4.査定方法
オーナー自身による査定
5.強み
業界一の知名度
オーナー査定で高収益
偽物救済制度がある
チケット販売による集客
6.弱み
一等立地を中心に展開するため初期投資や家賃が高くなりがち
–企業情報–
1979年(昭和54年)に創業した歴史ある企業です。本社は東京都港区。質屋として歩み始めましたが、時代と共にリユース形態にシフトしたようです。
主要駅前に狙いを絞った店舗展開を行い視覚的なブランディングに成功しました。オレンジの看板の大黒屋というと多くの方が知っているのではないでしょうか。
業界に留まらず有名な企業ですね。
まず、書きたいこととしては『チケット売買、外貨両替』を行なっていることです。利用したことがある方もいらっしゃると思いますが、抽選販売を終了したチケットや野球やサッカー、新幹線の回数券などが販売されておりサラリーマンの方などが立ち止まってショーケースを見ていることもしばしば。
ただ、このチケット販売や両替はフランチャイズ加盟店の任意となっており、必ず行わなければならないという訳ではないようです。知名度向上には一役かっているように思えます。
次に気になるのは『オーナー査定』ですね。他のフランチャイズ本部はオーナー査定ではなく本部又は業者による査定を実施していますが、大黒屋のみがオーナー査定です。
査定技術は一朝一夕で身につけられるものではないので、正直なところ不安に感じます。
恐らく加盟時の研修である程度の技術は身につけられると思いますが、撤退理由にもあるとおり査定が上手くないと薄利になってしまうため、成功するための必須スキルとして考えなければなりません。
おたからや

運営会社 | 株式会社いーふらん |
URL | http://www.kaitori-daikichi.jp/fc/ |
本社 | 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町3-33-2 横浜鶴屋町ビル7F |
TEL | 不明。HPに記載なし |
店舗数 | 約600店舗(FC530店舗) |
加盟金 | 240万円 |
ロイヤリティ | 毎月20万円 |
1.撤退数、撤退率
300店舗。今回ご紹介しているフランチャイズ本部の中で圧倒的ワースト1位。買取業界だけでなくフランチャイズビジネス全体で見ても悪い数字。
2.中間マージン
基本的になし。ただ、チラシには発生していると思われる。
3.集客方法
折り込みチラシ
4.査定方法
本部・専用業者(テレビ電話)、オーナー自身による査定
5.強み
本部・専用業者による査定サポート
チラシデザインに力を入れている
チラシの戦略に自信がある
ネームバリュー
6.弱み
本部サポートが弱い
–企業情報–
遡ること1975年に前身となる会社を創業し、2000年に現在の株式会社いーふらんを設立したようです。歴史ある企業です。
日本政策金融公庫をご存知でしょうか。個人企業や小規模企業向けの小口資金を融資してくれる独立の味方です。その平均融資額は700万円で推移しており、フランチャイズ本部や民間の創業融資支援サービスなどが融資を受けるためのサポートをしていることも広く知られています。
私の情報では、おたからや(株式会社いーふらん)でのフランチャイズ独立においては2020年2月現在で金融公庫からの融資は『高い確率で断られてしまう』ようです。これは撤退する店舗が多く回収不能案件が増えたためと考えられます。
現在FC店が500店舗稼働に対して撤退が300店舗というのは撤退率40%弱にもなります。驚きです。加盟させるまでがゴールなのかと考えさせられてしまいますね。
これ以上書くことはありません。
大吉

運営会社 | 株式会社エンパワー |
URL | http://www.kaitori-daikichi.jp/fc/ |
本社 | 東京都新宿区西新宿6-12-1 パークウェスト7F |
TEL | 03-6302-3660 |
店舗数 | 288店舗(FC200店舗) |
加盟金 | 200万円 |
ロイヤリティ | 毎月30万円 |
1.撤退数、撤退率
撤退数は予測30店舗。継続率の調査はできましたが、実際の撤退店舗数は把握出来ませんでした。オーナー継続率は85%ということでしたので、その予測で書かせていただきました。
2.中間マージン
あり
3.集客方法
折り込みチラシ
4.査定方法
オーナー自身による査定、本部サポート、AI鑑定
5.強み
なし
6.弱み
本部のWebリテラシーが低い
–企業情報–
株式会社エンパワーは2010年に創業した会社です。10期を迎えた現在、社員数は239名で店舗数は約300店舗。
まず、Webサイトでロイヤリティは20万円と書かれていますが、広告協賛金という名目で別途10万円の請求が発生するので実質30万円になります。
2019年末頃の調査では【初年度収入500万保証】を行っていたのですが、何らかの理由でプランを変更されたようです。私自身もこの保証プランには懐疑的でしたので、おそらく予想していたことが起こったのだと思います。
研修はSVが店舗に1ヶ月常駐する形式です。Webサイトにある1ヶ月徹底サポートとはこのことを指しているようです。延長や別途研修を希望する場合は、料金を支払うことで可能とのこと。基本1ヶ月で終了します。
気になる集客方法はやはりチラシです。上記の弱みに書いたとおり、本部のWeb戦略はまだ確立されていないようです。
以前行っていた収入保証プランはSVが1年間常駐するなど良い部分もありましたが、現在のプランは魅せられる部分が無いように感じます。また、広告協賛金名目での請求はトラブルの原因にもなるので、全てのFC共通で行うべきではありません。広告は自分で考え自分の責任のもと実行することで経験が蓄積されますので…
また、上記「おたからや」同様に日本政策金融公庫からの融資が『高い確率で断られてしまう』という情報が入ってきていますので、加盟を検討される方は必ず情報収拾を。
売るナビ

運営会社 | 株式会社MTC |
URL | https://www.urunavi.jp/fc/ |
本社 | 東京都千代田区神田須田町1-34 FIRST K・Kビル 3階 |
TEL | 03-6384-0568 |
店舗数 | 15店舗 |
加盟金 | 300万円 |
ロイヤリティ | 利益の25%(条件あり) |
1.撤退数、撤退率
不明。評価できず。
2.中間マージン
不明。評価できず。
3.集客方法
折り込みチラシ
4.査定方法
卸業者(テレビ電話)、本部、オーナー自身による査定
5.強み
店舗開発(物件選び)に自信あり
6.弱み
知名度が低い、店舗数が少ない、本部のWebリテラシーが低い
–企業情報–
2011年に設立した株式会社MTCですが、売るナビの事業は2018年12月から開始しましたので、フランチャイズ本部としては若い本部です。大手買取チェーンでの経験を活かした提案に自信あり。
企業HPが見当たらず、店舗オーナーからの情報も取得することが出来ませんでしたので、FC開発サイトから抜粋してコメントします。
気になるロイヤリティの25%ですが、下記の条件がついています。
(1)赤字ならロイヤリティ0円
(2)3ヶ月連続で営業利益60万円以上ならロイヤリティ固定15万円
まず「赤字ならロイヤリティ0円」については、一見オーナーに優しく見えますが、そこからどうV字回復させるかが重要なため、その記述が必要だと感じました。
本部のサポートがあるのか無いのか。結局回復させられなければ、ただの延命に過ぎませんのでロイヤリティ0円だけでは評価することは出来ません。
15万円に固定化されることは良いことだと思いますが(通常は利益の25%)、穿った見方をすると3ヶ月連続で60万円の営業利益を出すことが難しいようにも受け取れます。個人的にはロイヤリティの変動制には反対で、15万なら15万で固定化し、その分本部からのサポートを明確にしていただきたいなと思います。
Webリテラシーが低いと書かせていただいたのは、売るナビのWebサイトを見て判断しました。集客方法の要になり得るWebサイトがややコンテンツ不足かつ、UI設計が甘かったためです。
何れにしても情報が少なく、店舗展開もマイペースなためこれ以上書く内容はありません。今後に期待というところです。
ブランド横須賀

運営会社 | 株式会社TRA |
URL | http://brandyokosuka.com/ |
本社 | 神奈川県横須賀市若松町1-8 泉ビル2階 |
TEL | 046-827-2937 |
店舗数 | 不明 |
加盟金 | 0円(ワケあり) |
ロイヤリティ | 0円(ワケあり) |
研修費用 | 150万円 |
機材調達費 | 50万円 |
ブランド横須賀は自分も初めて見るタイプの形態なので、強み等はスキップしてコメントを書かせていただきます。
何と言っても【ロイヤリティ0円、加盟金0円】の仕組みについて。ブランド横須賀はフランチャイズ形態ではないので、ロイヤリティも加盟金もゼロ円なのです。独立開業特化型です。
もう少し具体的に書きますと、この買取リユースビジネスの運営ノウハウを有料で提供しているだけです。そのノウハウの価値は150万円。次いで店舗機材を購入するために50万円。合計200万円で買取リユースビジネスがスタート出来ます。
物件検索、契約、古物商の申請、内外装、告知、これら開業運営に関わる全てをオーナーが自ら行うことになります。文字通りの完全独立です。
正直に言わせていただきますとこのブランド横須賀プランを聞いた時、ある種の情報商材と似ているように感じました。
「稼ぎ方を教えるからお金を下さい。ノウハウ全て教えます。あとは行動するだけ」
これは一昔前に問題になったビジネスモデルと字面は同じです。
しかし、本当に覚悟を決めて己の力で成功しようと考えている方は、一度説明会を聞く価値はあるかもしれないと考えはすぐに変わりました。独立の定義はそれぞれの価値観です。ロイヤリティを払うことを独立とは言わない!そう考えている場合、フィットする可能性もあります。
補足ですが「アドバイスはあっても本部からのサポートはない」と考えた方がよいです。
結論

さて、合計7社を簡単ではありますが紹介させていただきました。折角調査を行なったので私個人的な目線にはなってしまいますが、ニーズマッチという形式で比較結果をお伝えいたします。5段階評価です。
安定した収益を望む方は『WAKABA』
戦略サポート | ★★★★★ |
ランニングコスト | ★★★★★ |
継続率 | ★★★★★ |
ネームバリュー | ★★☆☆☆ |
ロイヤリティ | ★★★☆☆ |
初期回収速度の早いWAKABAは優秀な経営戦略を持っており、ノウハウを吸収してしまえば多店舗展開も望めます。駅前等の好立地に比べ、家賃が大幅に下がる二等立地での成功は経営者ならば誰もが考える理想系です。
チラシだけでなくWebやSNSによる集客を積極的に取り入れ、若年層へのアプローチを行なっていることからも、戦略の厚みを感じさせます。募集開始から3年で100店舗到達もこの優秀な戦略を裏付ける数値だと思います。
WebSiteには多くの先輩レポートが掲載されているので、興味のある方は一見の価値ありです。
知名度で戦うなら最大手の『大黒屋』
戦略サポート | ★★★★☆ |
ランニングコスト | ★★☆☆☆ |
継続率 | ★★★★☆ |
ネームバリュー | ★★★★★ |
ロイヤリティ | ★★★☆☆ |
WAKABAとは対照的な大黒屋には、業界一の圧倒的なネームバリューがあります。新宿を始めとする店舗ブランディングは、メディア出演にも繋がり優位性を持ちます。
オーナー査定やロイヤリティが売上の割合によって変動するという不安はありますが、それ以上に集客力に期待できます。
好立地に出店する傾向があるため、ランニングコストは高めの設定になるかもしれません。入念にリサーチを行なったうえで事業計画を作成する必要があります。
その点は本部の店舗開発担当の方が相談に乗ってくれるはずなので、成功失敗事例をいくつか確認し自分のケースと当てはめてみましょう。
自由を手に入れるなら『ブランド横須賀』
戦略サポート | ☆☆☆☆☆ |
ランニングコスト | ☆☆☆☆☆ |
継続率 | ☆☆☆☆☆ |
ネームバリュー | ☆☆☆☆☆ |
ロイヤリティ | ☆☆☆☆☆ |
自由度 | ★★★★★ |
自由には責任が伴う。これは恩師の言葉ですが、正にそれかと。
研修費用と機材調達で初期200万円という金額は内容次第ですが安い。店舗出店に関わる費用はどこのフランチャイズに加盟しても実費になるので、そこにアドバンテージはありません。
ただ、店舗開発のサポートを受けることができないため、様々な情報を収集して慎重に出店する必要があります。
これも起業という意味で考えると当たり前のことなので『200万円を払い、買取リユースビジネスを学ぶ時間を買う』という時間効率的な視点で見ると良いかもしれません。
日本政策金融公庫
繰り返しになりますが日本政策金融公庫は、個人企業や小規模企業向けの小口資金を融資してくれる独立の味方です。
フランチャイズに加盟する際は、加盟に伴う見積もりや契約書、事業計画、物件などがある程度明確になりますので、契約前の段階で金融公庫に融資相談することが可能です。
「この加盟プランと計画でフランチャイズに加盟するのですが、融資いただくことは可能でしょうか?」
という相談になります。
その結果、融資可能という判断になれば安全に契約を進められますし、融資対象外となればその理由を聞いたうえで再検討が可能です。
数年前まではフランチャイズ加盟の場合、既に事業展開をしている本部やプランを審査することになるので、個人独立に比べ一定の信用がありました。
審査に通過しやすかったのです。
しかし、近年はフランチャイズ本部の作成する計画が甘いためか事業を撤退するオーナーが増えてしまい、その結果、融資審査が厳しくなったようです。(当然ですね)
とにかく契約前に融資審査を受けることは可能ですから、金融公庫の審査結果を1つの加盟検討要素として見るのは正解と言えます。
調査を終えて
私の目と耳で得た、私なりの事実を正直に書かせていただきました。
今回記事に掲載した本部以外にも複数のフランチャイズが確認できましたが、それぞれ加盟価値を冷静に見定めてみれば私と同様の結論にいたる方も多いと思います。
ロイヤリティや研修も当然大事なのですが、最も重要なのは『加盟候補者をどう見ているか?』だと考えています。
共に切磋琢磨するのか、店舗オープンがゴールなのか。
その答えは本部ではなく、加盟したオーナーが持っています。
実店舗型フランチャイズへの加盟は、人生を左右する大きな分岐になります。
ネット社会ではありますが、最後の最後は自分の足で、アナログな調査が決定的な要素をもたらしてくれるはずです。
覚悟や情熱だけで成功することは難しい。成功の根拠を納得いくまで調べてみてはいかがでしょうか?
また、冒頭に書いたとおり買取リユース市場はまだまだ伸び続けると私は思います。5Gという新たな世界が幕をあけようとしていますが、この市場にとっても大きな起点になることは間違いありません。
例えば「タクシーを呼ぶ感覚で出張買取を呼ぶ。アプリで何分後到着かも分かる」「手数料無料のecができてしかも商品説明が動画」なんてことも平気で可能です。
買取リユースが伸びれば経済効果も相当に期待できるため、フランチャイズ本部様はITへの注力を意欲的に行なってもらえると嬉しいです。
最後にフランチャイズ加盟や買取に関する有益な動画をご紹介して終わります。
良い出会いがありますように。
【フランチャイズ相談所 vol.170|FCに営業マンはいらない!?】
【フランチャイズ相談所 vol.171|FCの世界を健全にするためにやってること!】
【フランチャイズ相談所 vol.459|フランチャイズ本部よりも加盟側の方が儲かるの!?】
【フランチャイズ相談場 vol.880|アーリーステージFCと成功済みFCどちらが良い?】
【貴金属買取に密着】
フランチャイズ系で独立を考えてます。
nabiooさんが行かれたような会社さん2、3社回りましたがここまでの情報書かれていませんでした。
某社の説明会出て非常に魅力的でしたが、そこまで撤退してるなんて教えてもらえなかったので先に知れてよかったです。
今時紙媒体の販促っていうのも非効率だし物を売りたい人も増えてる。Web系に強いところがあるのは初めて知ったので、今度説明会行ってみます!
id:Myuichirou
お役にたててなによりです。